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三和故銅株式会社

本計画は、大阪市内に位置するオフィスビルの建替プロジェクトである。大通りに面する立地特性を活かし、街とオフィスの接続のあり方を模索した。

建物構成は、道路側に階段室・エレベーターを、その背後に事務室を配置する明快なゾーニングとした。都市と事務室との間に緩衝帯を介在させ、直接的な接続を回避。階段室は道路側に大開口を設けるとともに、事務室側も全面ガラスとし、内外双方からの視線の透過性を確保した。

 

階段室は、単なる動線空間にとどまらず、都市に対するバッファーとしての機能を意図した。都市の風景や人の流れを取り込み、内部空間に開放感と時間帯による光や風景の変化を取り込むと同時に、事務室には適度な距離感と落ち着きを確保している。また、外部からは階段を移動する人の姿が透けて見え、都市に対して企業活動の存在感を穏やかに発信する装置としても作用している。

 

3階には道路側にテラスバルコニーを設け、1・2階の開口部と連続する構成とすることで、建物全体に都市との接点を立体的に展開した。テラスの屋根には開口部を設け、空へと視線が抜ける構成とし、職員にとっての休息空間としての質も高めている。

 

外観デザインにおいては、1・2階の大開口部と3階のテラスバルコニーをフレームで囲い、出窓状の立体的なファサードを形成。バッファー空間を積極的にデザインすることで、都市に対して明快な「顔」を持ちつつ、街との緩やかな境界を演出した。

用途     : 事務所

規模     : 鉄骨造2建 

場所     : 大阪府大阪市

延床面積   : 230㎡

竣工     : 2025年11月

写真     :​ 貝出 翔太郎

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NAGAE ARCHITECT OFFICE

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