マーヤこども園 ーお寺に守られたこども園ー
長年一体の建物として親しまれてきたマーヤこども園と法安寺の建替計画である。
建替前は二階建ての一体建物の中に寺院とこども園があり、こども達が仏像に手を合わせるなど、お寺が日常のすぐそばにある環境が育まれていた。一方、限られた敷地の中で十分な園庭を確保することが難しく、建替えにあたっては、これまでの寺と園の関係を受け継ぎながら、新しい保育環境をつくることを考えた。
また、園の運営を休止することなく建替えることも大きな条件であった。そのため既存寺院を先行して解体し、その跡地に新園舎を建設。こども園の運営を新園舎へ移した後に旧園舎を解体し、その跡地に新寺院を建設するという、段階的な建替えを行った。
新しい計画では寺院と園舎を二棟に分け、その間に中庭型の園庭を設けた。建物に囲まれることで市街地の中でも安心して過ごせる場所としながら、空へと大きく開き、光や風を感じられる園庭としている。
保育室は園庭に向かって開き、室内から園庭へと活動が連続する構成とした。各階で過ごすこども達の姿や声が中庭を介して緩やかにつながり、建物全体で園の日常を感じられる空間を目指している。
園庭上空には、こども園3階の多目的ホールと寺院を結ぶブリッジを架けた。地上では寺院と園舎を分けることで園庭への光と視線の抜けを確保しながら、上空では再び両者をつなぐ。かつて一体であった寺と園のつながりを、新しいかたちで受け継いでいる。
南側道路と園庭の間には、寺院の二層吹抜ピロティがある。道路からピロティ越しに中庭の気配を感じることができ、園からもその先に街の存在を感じることができる。街に対して直接こども園を開くのではなく、お寺を介することでこども達の安心を守りながら、地域の人々の気配とも緩やかにつながる関係をつくった。
閉じることで守るのではなく、お寺に守られながら街とつながる。
長年育まれてきた寺とこども園の関係を受け継ぎながら、市街地に建つこども園の新しい開き方を考えた。
